BY hisss · 2022年12月2日
バリ島のケチャックダンス(Kecak Dance)は、上半身裸の男性たちが、独特の掛け声を発しながら展開する、バリ舞踊のひとつです。
バリ島のケチャックダンスがテーマにしているのは、古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」。ヴィシュヌ神の生まれ変わりで弓が得意なラーマや、女神の娘のシータ姫、黄金の鹿キジャン(魔王ラワナの化身)、猿の神様のハヌマーンなどが繰り広げる、インドの叙述詩ラマヤナ物語のストーリーです。
その「チャッ、チャッ、チャッ」という男性の掛け声が様々なリズムに変化し不思議なハーモニーとなります。
ダンスの妖艶さも相まって、観客は幻想的な物語の世界にどんどん引き込まれていきます。
ウルワツ寺院で鑑賞するバリ島のケチャックダンスは、なんといっても、そのロケーションが魅力です。スタートは日没間近の午後5時ごろで、太陽が海に沈んでいく中、円形の野外劇場でバリ島のケチャックダンスが繰り広げられます。
劇場の中央で燃えるたいまつの炎が、バリ島のケチャックダンスを照らし出し、実にエキゾチックな雰囲気。すっかり日が暮れたラストは、ファイヤーダンスで一気に盛り上がります。炎の中をハヌマーンが走り回って脱走するクライマックスシーンでは、観客にも炎の熱気が伝わり、臨場感満点です。