BY hisss · 2018年2月5日
オットーとマーガレットの家族が初めてバリを訪れたのは2002年のこと。
そして一日でバリの人々とウブドの地(現在のヴァイスロイがある場所)に魅了されてしまったのでした。
そして、その時オットーは誓ったのです。
「この土地に自分が泊まりたい、と思えるホテルを作ろう。」
と。
それから数年間、オットーファミリーは夢見た心地の良いホテル、を作るため地元の人々たちとそのホテルが完成する日までを共に過ごし2005年、ヴァイスロイ バリ という名前の全11棟のヴィラが誕生したのでした。
この土地(プタヌ渓谷)が王家の谷とよばれる場所に位置することから、ロイヤリティを表すヴァイスロイという名前をホテルの名前に使うことに決めました。
(2013年にデラックス・テラス・ヴィラ14棟の増設が完成して、全25棟となりました。)
「お客様を家族の一員としてお迎えする。」
ホテル業には何も携わったことのなかったオットーファミリー。
何もかもがはじめてのスタート。
この世界に1つだけのこのホテルには、上司からのおしつけもホテルマニュアルも何もありません。
バリの人々が元来持っている素晴らしいホスピタリティを活かすこと。
それにヴァイスロイらしい血の通ったサービスを行うこと。
スタッフたちは、日々お客様と接するオットーファミリーの背中を見ながら、「人と接すること」をその機会に自然と学び、リゾートと共に成長をしてきたのだそうです。
オットーはその人がもつ素晴らしい資質を引き出すことが自分の仕事だと考えるのです。
あるスタッフがヴァイスロイに就職の面接に訪れた時のこと。
カスケードレストランの一角で面接を受けていたところ、ある男性が「今、今日お客様にお出しするワインのテイスティングをしているんだよ。あなたも1杯、試してみてくれないか?」。
それがオットーの息子のアントニーだったことを後で知りましたが、その自由さ、型にはまらない自然な振る舞いは今も忘れることが出来ない出会いだったのだそうです。
「手抜きと妥協なし」
ヴァイスロイに数時間もいたら気がついてしまうのが、「よく手入れされている」ということ。
ウブドというバリ島の南部よりも雨も多く湿気の多い土地柄、すぐに汚れてしまうはずの壁や地面。
ヴィラの前にあった石の彫刻の壁画なんて、今持って来て取り付けたの?って目を疑ってしまう位、キレイ。
建ててから数年は経っているヴィラの屋外プライベートプールの天井、どうして真っ白?
オットーは、全てに手を抜きません。毎日、「ここが汚い、あそこはもっと磨こう。」(笑)
そしてお客様のチェックインの数時間前にお部屋の床の大理石がピカピカに磨かれるのはヴァイスロイが考えるお迎えするお客様への敬意だからなのです。
ヴィラのコンセプト、間取り、家具、調度品の一つ一つ…全てはオーナーファミリーの愛情とこだわり。上質のものに囲まれた空間は、お客様に「あなたを大切にしている」というメッセージを口に出さずとも静かに伝え続けることのできるとても大事な要素だから…です。
「全25棟のお客様に尽くすこと。」
あるお客様がチェックアウトの日…
「プールが冷たくて泳げなかった」。
こんなコメントを残して帰られました。
オットーはこの言葉を受け止め…ヴィラのプールを温水プールに変えました。水温は約30度前後に設定され、乾期や肌寒い日でも快適に入れるようにつくりなおしたのです。
確かにウブドの朝夕は冷えることもあります。実は私もウブドのとあるホテルで折角の絶景を目の前にしても冷たくて泳ぐことが出来なかったという体験があります。
メインプールは土を掘り起こして作った構造のため、設計上温水対応にかえることがまだ出来ていませんが25棟のヴィラはヒーティング対応プール。更に、デラックス・テラスヴィラは、温水をオフにすることも可能です。(温度調整が可能、温水はちょっと…というお客様にはこちらがおススメです。)
1日中プールにいたいプール好きにはなんて嬉しい配慮なのだろう…と思いました。
また、モーニングトレッキング、サイクリング、ヨガ…etc,,,ホテル滞在を楽しむための様々なアクティビティはお二人だけで行います。ガイドはお二人のペースに合わせてすすめてくれるので気兼ねせず参加することが出来るでしょう。
バリの僧侶に結婚の祝福をしてもらう儀式を行ったり、お清めの儀式を体験した、なんていうエピソードにも興味を惹かれます。
そして、ウブドに来たからには王宮や市場のある中心地でカフェやお店の散策、バリニーズダンスも鑑賞してみたい。そんな時は車を用意してくれます。深夜は1日前の予約が必要ですが、スケジュール制ではありませんので、レセプションにお声かけ下さい。
そして、お部屋をチェックアウトした後でもホテル内の施設、プールやレストラン、スパやジム、wifiやウブドへの無料送迎サービスも利用することが可能です。
「極め続ける、カスケードレストラン」
王家の谷と呼ばれるウブドのプタヌ渓谷を一望する、緑に包まれた三角屋根が印象的なカスケードレストラン。
オットーファミリーは、旅に美味しいものとの出会いは欠かせない、と考えます。
ヴァイスロイのカスケードレストランでは、1年に6回程行うゲストシェフのイベントがあります。
世界で活躍されるミシュランスターシェフ、もしくは同レベルのシェフをカスケードへ招き、スペシャルディナーを行います。
たった1回限りのイベントに1リゾートがシェフを招聘するのは、コストを度外視した、食への熱意。
イベントはお客様のためのみならず、キッチンスタッフにも生で世界のレベルを共有し、世界で評価されるレストラン、となれるように腕を上げてもらうためでもある、とのこと。
こうして、ゲストシェフイベントが行われる度に、カスケード・レストランは進化していくのですね。
「本物を使えば、それそのものが語る」とベルギー人シェフが言うように徹底的に食材にもこだわります。オーストラリア和牛ビーフを初め、カナダ産ロブスター、フレンチ・フォア・グラなどは取り寄せ、地元の素材を選び抜きます。
常にクオリティの管理を行うのは勿論のこと、160種類を超えるワイン・コレクションやワインセラーの徹底した貯蔵管理も、ゲストに提供するグラス一杯のワインにこだわるため。ワインに馴染みが薄い方にも、シンプルに「おいしい」と思っていただけるグラスワインまで、“美味しい料理に、美味しいワイン“ というコンセプトも崩しません。
そして特筆したいのは、ヴァイスロイの朝食は、ビュッフェではお出ししない、ということ。
常に出来立てのものをお客様に味わって頂くためです。ナシゴレンだって1人分、ピカピカの真っ白なお皿で出てきます。既に出来た山積みの料理をお皿をもって取りに行かなくて良いのです。
アラカルトメニューの中からお好きなものをお好きなだけ…朝一番の澄み切った森風がそよぐカスケードでの朝時間はバリ島一番の極上の朝ごはんなのです。
「何も困らない。流れるような時間が過ごせる快適。」
旅では何事もなく過ごしたいもの。
頼んでいたものと違う、とか、残念。。
バギーを頼めばすっと現れてくれる。24時間の対応。
レストランへ行けば人数分の席が用意されている。待たされない。
エキストラベッドも快適。お花をありがとう。
電話のかけ方から部屋にあるものは使い方が日本語で書いてある。
難しいエスプレッソコーヒーマシーンの使い方の日本語があったのには感動。
(これ、他のホテルで飲みたいのに飲めないことがあったのです。)
レストランだって日本語メニューがあるので食べてみたいものがちゃんと注文出来る!
Wifiだって面倒なパスワードはないし、マルチプラグ対応でUSBがたくさん充電出来るプラグ、これ本当に便利です。25棟のヴィラに、いつも快適を届けてくれるホテルのスタッフたち。
ヴァイスロイのヴィラは、6つのタイプがあり、プールスイート(4室)、テラスヴィラ(4室)、デラックステラスヴィラ(14室)、ヴァイスリーガルヴィラ1(1室)、ヴァイスリーガルヴィラ2(1室)、ヴァイスロイヴィラ(1室)となります。
その中でも断然おすすめしたいのがデラックステラスヴィラ。
14棟のヴィラは、⇩マップ右から3段の高さにそれぞれ建てられていますが、一番渓谷側(地図でいうと右側)のデラックステラスヴィラは、高さが一番低く川に近く、水の流れる音と森がせまってくるようなロケーションが楽しめます。森への最前列、です。
一番高い高さ(地図で言うと左側)は、より視界がひらけた景色となりパノラマを愉しむことが出来ます。
景観にはそれぞれ好みがあると思うのですが、私が選ぶ絶景は森側の15番、16番のヴィラ。
視界を遮るものがなく、前のヴィラの屋根、もありません。朝はこの渓谷からの水の音で目を覚ますのです。そして谷からの朝靄とヤシの木々の間から昇る太陽の光がこぼれ、プールの水面は輝いている…
森側全面が窓で室内から、ベッドから、ソファからバスタブから…この景色が楽しめる。
ウブドの渓谷沿いのホテルはほとんどが西向きな気がしますが、ヴァイスロイは東向きに建っていてプタヌ渓谷に面しています。なので、朝起きると緑の森の隙間から昇る朝日の光が輝いているんです!なのでウブドにいながら明るく輝くリゾートなのです。
やっぱり早起きしましょう。。
また、デラックステラスヴィラはバリアフリーに近い設計で、2棟は完全なバリアフリー仕様。段差がなく使い勝手が良い、とシニアのお客様からも好評です。
プールの深さは1.45mですが、20cmくらい?の浅い部分(↓白い部分)があるのですが、ここでのんびりできる!こういう造りが嬉しい。
とにかく広い。勿論レインシャワーとハンドシャワーで使い分けられます。
「今でも喧嘩」
オットーとマーガレットがはじめてバリを訪れたあの日から長い長い年月が流れました。
「自分が泊まりたい、と思えるホテルを作る」
と誓ったあの日からこの信念は今日までも全く変わることなく、取っ組み合い、とまではいきませんが、常に意見をぶつけ合いながら、オットーファミリーはホテルの運営について話し合うのだそう。。
一ミリも、誰一人妥協せず自分が泊まりたいと思えるホテルであるために。。
ウブドのホテル、って隔離された感があって、全身森に包まれ過ごすことが出来るのでそれはそれでどっぷりウブド的過ごし方、いいのですが、ヴァイスロイは何故かウブドにいながら、明るいリゾートにいる雰囲気を感じるのです。東向きで朝日が昇ってくるから?渓谷に流れ落ちるプールの周りの床が明るいから?それで感じたのは…このホテルの人々が全25棟のヴィラに全力を注ぐという思いが醸し出しているものではないか?ということ。それが答えかな。。と思ってます。
先日、ヴァイスロイから2018年の終盤にメインプールのリノベーションを行うため、その間はご宿泊を受けることが出来ません、というお知らせが入ってきました。
…らしいな、と思います。
全25棟だから出来ること?かもしれません。いえ、万全の状態でお客様をお迎えしたいから、でしょう。だって、いくら部屋にプールがあるからと言ってホテルでメインプールが利用出来ない、は致命的(私にとっては…)で、メインプールのすぐ横にはレストランがあるのです。リノベーションの1年前からお知らせをするというのもバリでは見たことがありません。(開始前日に知らせてくるホテルがほとんど…)
今日もオットーの1日がはじまります。
朝一番の仕事は、今日訪れるゲストへのウエルカムレターにサインをすること。
客室のベッドの上に置かれたお客様へのお手紙は、一人ひとりのゲストを家族の一員としてお迎えする、という気持ちを込めて用意したウエルカムレター。
そんなホテルを知ることが出来たことが嬉しく、この話を書いてみました。
ホテルを愛する人が毎日磨き上げるホテル、
あなたを家族として迎えるホテル、
あなたの過ごし方をかなえたいホテル、どこまでもパーソナルに。
世界に一つだけのウブドの森に佇む心温まるホテル。
もしもバリの楽園をお探しならば…この美しきホテルを訪れてみませんか。。
Viceroy Bali ヴァイスロイ バリ
Jln. Lanyahan, Br Nagi, Ubud, Bali 80571 Indonesia.
(記載の情報は2018年2月現在のものとなります。)