BY ミーモ · 2017年6月20日
バリ島でたくさんあるウパチャラ(儀式)の中でムラスティというウパチャラがあります。これはお寺の御神体を海や川にお清めに行く大切な儀礼で通常バンジャール(村の共同体)という大きな単位で動きます。
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調査依頼その㊷ ニュピ前後に行われるバリの儀式ムラスティ、どんなお祭り?
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このムラスティ、大抵はニュピ(バリヒンドゥーの正月)の前に行われますが、まずはお寺を清めてから、晴れてお正月を迎えるというということですね。このムラスティ、御神体を清めるために、各バンジャールの人々が揃って海なり川なりに移動しなければならず、私が参加する村では遠いビーチまで移動する交通手段が車やバイクのため大渋滞が発生します。歩いてビーチに行くバンジャールは、長い行列を作ってビーチに向かいます。ムラスティの行列が終わるまで、通行中の車やバイクはもちろんストップ。行列が過ぎるまでの長い時間を道路で辛抱強く待つ羽目になる、いわゆるムラスティ渋滞が発生します。ニュピの前の2〜3日間は本当にたくさんのムラスティに出会います。なので、旅行会社などお客様を案内するお仕事の人は渋滞を避けるため、このムラスティに遭遇しないよう情報を事前にゲットしたりもするんですよ。ムラスティの行列が通り過ぎて、プチャラン(ウパチャラの警備係)がOKをだすまでは絶対抜かしたり、クラクションを鳴らしてはいけません。もちろんやったことはないですが、やったら間違いなく村人たちに、車やバイクごとボコボコにされることでしょう(苦笑)。
また少数ですが、ニュピ前ではなく、ニュピ後にムラスティを行うバンジャールもあります。先日、友達が「今日の夕方、サヌールで大きなムラスティがあるらしいよ」とおしえてくれました。ちょっと変わった踊りもあるとのことで、一緒に見に行ってきました(ちゃんと腰布&腰帯を巻いていけば参加できます)。
↓夕方3時頃。まだまだ暑いです。バンジャールの人たちが続々とプリ(王族の家)に集まって、スタート前にそれぞれお祈りをします。
↓プリの中にあるお寺です。さすが立派です!
↓女性たちはお揃いの衣装に身を包んでいます。さすが都会(サヌール)のバンジャール。田舎のムラスティとは違って華やかです〜。皆、ヘアメイクもヘアサロンでちゃんとして、自撮りに熱中している女性がいっぱいでした(笑)。何も頼まなくてもカメラ目線でニッコリ♪
↓ウパチャラは老いも若きも全員参加。子供たちもそれぞれ役割があります 。
↓こちらがちょっと変わった踊り「バリス・グデ」を披露してくれるおじさんダンサーたちです。マリーゴールドのお花を頭にいっぱい飾ってかわいいですね。ダンサーといえば普通ケバケバメイクですが、おじさんたち、スッピンです。
↓プリを出発する前に「バリス・グデ」を踊るそうで、先にお清めの儀式が行われています。
さらに続々と人が集まってきます。
↓踊り子の女のコたち
↓こちらは男のコダンサーたち
↓悪を象徴するランダの仮面がいっぱい運ばれてきました。
↓こちらは善の象徴であるバロンの登場。
↓ガムラン隊がウパチャラを盛り上げます!
↓出発前のウパチャラが終わるのを待つ人々。
↓「バリス・グデ」が始まりました!勇ましい踊りのはずですが、頭の花飾りがカワイ過ぎます♡
出発前のウパチャラも無事に終わり、いよいよ出発です!プリの前の道路に並びます。その列の長さ、推定700メートルほど、いや、もっとあるのでしょうか??
↓こちらが先頭です。
↓クバヤの女性たちが続きます。衣装もお揃いでステキ♪
↓クバヤの女性たちの後は、子供たち。
↓男の若者たちです。手にするものも剣とか槍とか男っぽいですね。
↓続いては踊り子ちゃん。まずは女のコから。
↓次に男のコのダンサーたちです。人数も多い!
↓最後に先ほどダンスを披露したおじさんダンサーたち。
↓行列が進んでいる間、バイクや車はすべてストップ。終わるまで待たないといけません。
↓白く長い布を持った人々の後に御神体、ランダの仮面などが続きます。
↓歩きながら演奏するブレガンジュール。
↓最後はバロンです。後は村人たちがぞろぞろと行進します。
めざすはサヌールのシンドゥビーチ!大体1キロ弱くらいの距離でしょうか?
私が参加したのはここまで。
ビーチで御神体を清める儀礼を行った後は、ダラム寺院(死者の寺)に戻り、御神体を戻し納めます。ムラスティの儀式は夜まで続くそうです。外から見ていると華やかですが、実際は暑いし、大変だと思います。でもこういう儀礼を大切にして平和を願う姿がバリなんですね〜。そう考えれば、ムラスティでちょっと渋滞にひっかかても我慢しなくちゃって思えます(笑)。